蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2024年12月01日(日)

「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は、師走・年の暮の俳句です。

次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
メール・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文がネット上にも飛び交うことを願っています。

旅寝(たびね)よし 宿は師走の 夕月夜(ゆうづきよ)
めでたき人の 数にも入らむ 老いの暮
忘れ草 菜飯(なめし)()まん 年の暮
松尾芭蕉
年の内に 春は()にけり 猫の恋
(たがや)さぬ 罪もいくばく 年の暮
家一つ 畑七放(ななほう) 冬日和(びより)
小林一茶
足袋(たび)の よごれ尽せし 師走哉
だまされて 遊女(ゆうじょ)うらむや 年の暮
年の暮 財布の底を 叩きけり
正岡子規
年は(ただ) 黙々(もくもく)として 行くのみぞ
女を見 連れの男を 見て師走
行年(ゆくとし)や 歴史の中に 今我あり
高浜虚子
うぐひすの (なく)や師走の 羅生門(らしょうもん)
芭蕉(ばしょう)(さり)て そののちいまだ 年暮れず
椿(つばき)落ちて きのふの雨を こぼしけり
与謝蕪村
街は師走の 広告燈の明滅
年のをはりの風が出て 木の葉ふきおとした
昭和九年もこれぎりの カレンダー一枚
種田山頭火
蹲踞(つくばい)に 遊ぶツグミや 水冷えて
ドウダンの 真っ赤に染まり 師走入り
去年(こぞ)今年 惜別の人や 何人ぞ
住職