蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

檀信徒チャンネル 檀信徒のしるべ

寺務雑記

■2024年10月01日(火)

「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は、中秋の俳句です。

次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
メール・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文がネット上にも飛び交うことを願っています。

蕎麦(そば)はまだ 花でもてなす 山路(やまじ)かな
まつ(たけ)や しらぬ木の葉の へばりつく
里古(さとふ)りて 柿の木持たぬ 家もなし
松尾芭蕉
白露(しらつゆ)に 浄土(じょうど)まいりの けいこかな
うろたへな 寒くなるとて 赤蜻蛉(あかとんぼ)
山柿(やまがき)も 仏の目には 甘からん
小林一茶
酒のんで 一日秋を わすれけり
順礼(じゅんれい)に 追ひこされけり 秋の旅
奈良の秋の 唐招提寺(とうしょうだいじ) 西大寺(さいだいじ)
正岡子規
(あたた)かき 茶を含みつつ 秋の雨
藤袴(ふじばかま) 吾亦紅(われもこう)など 名にめでて
萩を見る 俳句生活 五十年
高浜虚子
山は暮れて 野は黄昏(たそがれ)の すすきかな
染めあへぬ 尾のゆかしさよ 赤蜻蛉
さびしさの うれしくもあり 秋の暮
与謝蕪村
木の葉ひかる 雲が秋になりきった
わたしと生れたことが 秋ふかうなるわたし
うどん(そな)へて 母よ わたくしもいただきまする
種田山頭火
夏疲れ 追い打ちかける 暑さかな
ヒガンバナ 今頃咲いて 時おそし
虫の音も 途切れがちなり 秋の夜半(よわ)
懸命に 孫駆け踊る 運動会
年老いて ただ見るだけの 運動会
住職