寺務雑記
■2024年06月01日(土)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は梅雨時の俳句です。
次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。
世の人の 見付けぬ花や 軒の栗 降る音や 耳も 鮎の子の 白魚送る 別れ哉 | 松尾芭蕉 |
足元へ いつ来たりしよ 僧になる 子のうつくしや けしの花 折々は 腰たたきつつ つむ茶かな | 小林一茶 |
薄月夜 花くちなしの 匂いけり 捨てられて 又さく花や 五月雨や 上野の山も 見飽きたり | 正岡子規 |
梅雨晴れの 夕茜して すぐ消えし 何某の 院のあととや 花菖蒲 梅雨眠し 安らかな死を 思ひつつ | 高浜虚子 |
青梅に 眉あつめたる 美人哉 若竹や 夕日の嵯峨と なりにけり | 与謝蕪村 |
紫陽花も をはりの色の 曇つてゐる 山から山がのぞいて 梅雨晴れ 山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く | 種田山頭火 |
梅雨の雨 少は田困り 多は洪水 減税も 梅雨空のよう 曇りなり アジサイや 淡くけなげに 咲きはじめ 名も知らぬ 雑草のびて 夏は来ぬ 青梅を 見ては気になる 実の丸さ | 住職 |