蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2024年04月01日(月)

 「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は桜の俳句です。

 次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
 スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。

うかれける 人や初瀬(はつせ)の 山桜
両の手に 桃と桜や 草の(もち)
(うば)(ざくら) 咲くや老後の 思ひ(いで)
※初瀬:桜井市の長谷寺
松尾芭蕉
下々(しもじも)に 生まれて桜 桜哉
み仏や 寝ておはしても 花と銭
あの鐘の 上野に似たり 花の雲
※上野:東京上野の寛永寺
小林一茶
帰り咲く 八重の桜や 法隆寺
名をもたぬ 京の桜は なかりけり
木の間に 白きもの皆 桜哉
※法隆寺:奈良斑鳩の法隆寺
正岡子規
三つ食へば 葉三片(さんべん)や 桜餅(さくらもち)
(おそ)(ざくら) なほもたづねて 奥の宮
大桜 これにかしづき 大椿(おおつばき)
※奥の宮:貴船神社
高浜虚子
(ねぶ)たさの 春は御室(おむろ)の 花よりぞ
(はな)(もり)の 身は弓矢なき 案山子(かかし)かな
又平(またべえ)に 逢ふや御室の 花ざかり
※御室:京都御室の仁和寺
※又平:大津絵の絵師の岩佐又兵衛
与謝蕪村
さくら咲いて なるほど日本の春で
さくらさくら さくさくら ちるさくら
あすはかへらう さくらちる ちってくる
種田山頭火
お彼岸に 桜は咲かぬ まともなり
久しぶり 入学式の 桜かな
花見酒 がまんがまんの 能登の春
住職