蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2023年11月01日(水)

 「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は紅葉・落葉の俳句です。

 次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
 スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。

(つた)の葉は 昔めきたる 紅葉かな
鬼灯(ほおずき)は 実も葉も殻も 紅葉かな
百歳(ももとせ)の 気色(けしき)を庭の 落葉哉
松尾芭蕉
山暮れて 紅葉の(あか)を 奪いけり
二荒(ふたあら)や 紅葉の中の (あけ)の橋
西吹けば 東にたまる 落葉かな
与謝蕪村
渋柿(しぶがき)も 紅葉しにけり 朝寝坊
夜神楽(よかぐら)や 焚き火の中へ 散る紅葉
淋しさや おち葉が下の 先祖達
小林一茶
蕎麦白く 柿の紅葉に (ゆう)(ばえ)
古寺に 灯のともりたる 紅葉かな
団栗の 共に掃かるる 落葉哉
正岡子規
ゆくりなく 旅の一日を 紅葉狩
紅葉せる この大木(たいぼく)の 男振り
大寺の 屋根にしづまる 落葉哉
高浜虚子
休んでゐる そこの木はもう紅葉してゐる
山の紅葉へ 胸いっぱいの声
なんぼう考へても おんなじことの 落葉ふみあるく
種田山頭火
異常気象 ソメイヨシノの 狂い咲き
異常気象 ナナカマドの赤 雪化粧
殺し合う 人間(ひと)まで異常 今年(こぞ)の秋
住職