蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2023年09月01日(金)

 「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は残暑・秋・お彼岸の俳句です。

 次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
 スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。

牛部屋に 蚊の声(くら)き 残暑かな
秋風の 吹けども青し 栗のいが
去年(こぞ)見たる 花売りに来る 彼岸哉
松尾芭蕉
温泉()に三度 残る暑さも 昼の内
せわしなや 桔梗(ききょう)に来り 菊に去る
富士は曇り 筑波(つくば)は秋の 彼岸哉
正岡子規
(おい)の身は 暑さのへるも 苦労哉
秋風に 歩いて逃げる 蛍かな
ついて来た 犬も乘る哉 ひがん舟
小林一茶
怜人(れいじん)の やどりにのこる 暑さかな
染めあへぬ 尾のゆかしさよ 赤蜻蛉
まんじゅさげ (らん)(たぐ)いて 狐()
与謝蕪村
見苦しや 残る暑さの 久しきは
鈴虫を 聴く庭下駄の 揃へあり
長谷寺に 法鼓(とどろ)く 彼岸かな
高浜虚子
秋暑い 鉄鉢でお米が いっぱい
けふの日も 事なかりけり 赤とんぼ
悔いるこころの 曼珠沙華 燃ゆる
種田山頭火
「若き血」に 残暑吹き飛ぶ 甲子園
鈴虫の 鳴き声途切れ 残暑秋
私にも 彼岸が近く なりにけり
住職