蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

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寺務雑記

■2023年06月01日(木)

 「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は梅雨の俳句です。

 次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
 スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。

世の人の 見付けぬ花や 軒の栗
紫陽花(あじさい)や 帷子(かたびら)時の 薄浅黄(うすあさぎ)
子供等よ 昼顔(ひるがお)咲きぬ (うり)()かん
松尾芭蕉
薄月夜(うすつきよ) 花くちなしの 匂いけり
梅雨晴れや (ひぐらし)鳴くと 書く日記
のびきって 夏至(げし)に逢ふたる (あおい)かな
正岡子規
やせ蛙 まけるな一茶 これにあり
足元へ いつきたりしよ 蝸牛(かたつむり)
葉がくれの 瓜と寝ころぶ 子猫かな
小林一茶
さみだれや 名もなき川の おそろしき
さみだれや 仏の花を 捨てに出る
今朝みれば 白きも咲けり 杜若(かきつばた)
与謝蕪村
明らみて 一方暗し 梅雨の空
紫陽花の 花に日を経る 湯治かな
よりそいて 静かなるかな 杜若
高浜虚子
沙羅(しゃら)の花 もうおしまひや 屋根に散り
母の顔 道辺の蓮の 花に見き
梅雨の月 光を増しぬ 瑠璃光院(るりこういん)
山口青邨
梅雨の満月が 本堂のうしろから
壺の底の魚じつと 梅雨雫垂る
窓の灯は みな消えて若葉 そよげり
種田山頭火
尾瀬行けば 私にほほえむ 水芭蕉
さつき咲き めだか泳いで 梅雨(ばいう)かな
梅雨の間の 田植えの景色 のどかなり
住職