寺務雑記
■2022年10月01日(土)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は秋の俳句です。
次世代を担う若い人たちに、俳句・和歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。
盆過ぎて 宵闇暗し 虫の声 朝茶飲む 僧静かなり 菊の花 朝な朝な 手習ひすすむ きりぎりす | 松尾芭蕉 |
山は暮れて 野は黄昏の すすきかな 茨野や 夜はうつくしき 虫の声 | 与謝蕪村 |
窓の燈の 草にうつるや 虫の声 鈴虫の 籠に燈籠の 月夜哉 昼中の 残暑にかはる 夜寒哉 | 正岡子規 |
藤袴 吾亦紅など 名にめでて 暖かき 茶を含みつつ 萩の雨 やうやうに 残る暑さも 萩の露 | 高浜虚子 |
小便の 身ぶるひ笑え きりぎりす 散る 青空に | 小林一茶 |
こほろぎが わたしのたべるものを たべた 松虫鈴虫水の音 夜もすがら たえず このいただきに来て 萩の花ざかり | 種田山頭火 |
虫に音に 諸行無常の ひびきあり 金木犀 匂う参道 清めたり 鈴虫は 籠にいるより やはり庭 | 住職 |
秋の夜は更けて すだく虫の音に 疲れた心いやす わが家の窓辺 静かに ほのぼのと 倖せはここに | 大橋節夫とハニーアイランダース |