寺務雑記
■2020年12月01日(火)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は師走・年の暮の句です。
次世代を担う若い人たちに、俳句・短歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
見送りし 仕事の山や 年の暮 ふとしたる ことにあはてて 年の暮 | 高浜虚子 |
旅寝よし 宿は師走の 夕月夜 なりにけり なりにけりまで 年の暮 | 松尾芭蕉 |
ともかくも あなたまかせの 年の暮 | 小林一茶 |
師走の夜の 釣鐘鳴らす 身となりて | 尾崎放哉 |
師走の行ききの 知らない人ばかり | 種田山頭火 |
漱石が来て 虚子が来て 大三十日 人間を 笑ふが如し 年の暮 | 正岡子規 |
ゆく年や 蕎麦にかけたる 海苔の艶 | 久保田万太郎 |
大晦日 定めなき世の 定めかな | 井原西鶴 |
妻はまだ 何かしてをり 除夜の鐘 | 日野草城 |
スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。