寺務雑記
■2020年11月01日(日)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は紅葉の句です。
次世代を担う若い人たちに、俳句・短歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
沙羅双樹 時を同じく 紅葉して | 山口誓子 |
うらを見せおもてを見せて散るもみぢ | 良寛 |
ゆくりなく 旅の一日を 紅葉狩 一枚の 紅葉かつ散る 静かさよ | 高浜虚子 |
古寺に 灯のともりたる 紅葉かな ちる紅葉 ちらぬ紅葉は まだ青し | 正岡子規 |
蔦の葉は昔めきたる紅葉哉 鬼灯(ほおずき)は実も葉も殻も紅葉哉 | 松尾芭蕉 |
渋柿も 紅葉しにけり 朝寝坊 | 小林一茶 |
紅葉して 寺あるさまの 梢かな 二荒(ふたあら)や紅葉が中の朱の橋 | 与謝蕪村 |
一きわ赤いお寺の紅葉 山の紅葉へ 胸いっぱいの声 | 種田山頭火 |
スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。