寺務雑記
■2020年06月20日(土)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は梅雨・青葉の句です
次世代を担う若い人たちに、俳句・短歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
青梅に 手をかけて寝る 蛙哉 | 小林一茶 |
紫陽花に 雫あつめて 朝日かな | 加賀千代女 |
のびきって 夏至に逢ふたる 葵かな 薄月夜 花くちなしの 匂いけり | 正岡子規 |
明らみて 一方暗し 梅雨の空 | 高浜虚子 |
子供等よ 昼顔咲きぬ 瓜剥かん | 松尾芭蕉 |
五月雨や 名もなき川の おそろしき | 与謝蕪村 |
かたまるや 散るや蛍の 川の上 | 夏目漱石 |
あすは雨らしい 青葉の中の堂を閉める 蓮の葉押しわけて出て 咲いた花の朝 | 尾崎放哉 |
お寺の たけのこ 竹になった 梅雨の満月が 本堂のうしろから 山のほとけには 山の花 | 種田山頭火 |
スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。