寺務雑記
■2020年04月01日(水)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は桜の句・歌です。
次世代を担う若い人たちに、俳句・短歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
観音の 大悲の桜 咲きにけり | 子規 |
死に支度 致せ致せと 桜かな | 一茶 |
徐(おもむろ)に 眼を移しつつ 初桜 | 虚子 |
扇にて 酒くむかげや ちる桜 | 芭蕉 |
朝桜 よし野深しや 夕ざくら | 去来 |
旅人の 鼻まだ寒し 初ざくら | 蕪村 |
風さそう 散るさくら花 雀啼き | 住職 |
願わくば 花の下にて春死なむ その如月の望月の頃 | 西行 |
桜花 咲きかも散ると見るまでに 誰れかもここに見えて散り行く | 柿本人麻呂 |
世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし | 在原業平 |
花の色は、うつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに | 小野小町 |
桜花 咲きにし日より吉野山 空もひとつにかほる白雪 | 藤原定家 |
いざ子ども 山べにゆかむ桜見に 明日ともいはば散りもこそせめ | 良寛 |
乙女子が袖ふる山に 千年へて ながめにあかじ花の色香を | 豊臣秀吉 |
咲く花を 散らさじと思ふ 御吉野は 心あるべき春の山風 | 徳川家康 |
スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。