寺務雑記
■2020年01月23日(木)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月はしわす節分・立春の句です。
次世代を担う若い人たちに、俳句・短歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。
心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
節分の 豆をだまって たべて居る | 尾崎放哉 |
闇(くら)がりへ 鬼追い出して 笑ひ哉 かくれ家や 歯のない口で 福は内 おさな子や ただ三つでも 年の豆 | 一茶 |
節分や 肩すぼめゆく 行脚(あんぎゃ)僧 | 幸田露伴 |
唐紙に 障子に音や 年の豆 | 久保田万太郎 |
二三日 掃けば出てくる 年の豆 | 稲畑汀子 |
わが部屋に 最も多く 豆撒かれ | 阿部みどり女 |
あたたかく 炒られて嬉し 年の豆 春立つや 六枚屏風 六歌仙 雨の中に 立春大吉の 光あり | 虚子 |
立春の 日をわきまふや 牡丹の芽 | 山口青邨 |
雪解や 春立つ一日 あたたかし | 子規 |
春立ちて まだ九日の 野山かな | 芭蕉 |
節分会 鬼も内なり この寺は 鬼は外 心の闇の 追儺かな 花芽つけ 牡丹も春を 待ちにけり | 住職 |
スマホ・ラインのやりとりも俳句や和歌でやったらどうでしょう。殺風景で軽薄短小なコトバでなく、ふくよかで美しい日本語の短文が飛び交うことを願っています。