寺務雑記
■2019年12月1日(日)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は師走・年の暮の句です。
次世代を担う若い人たちに、俳句・短歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。
心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
大寺の 静まりかへる 師走かな | 子規 |
雪と雪 今宵師走の 名月か | 芭蕉 |
山茶花の 咲いてことしも 師走かな | 久保田万太郎 |
師走の夜の 釣鐘ならす 身となりて | 尾崎放哉 |
うぐひすの 啼くや師走の 羅生門 | 蕪村 |
ともかくも あなたまかせの 年の暮 | 一茶 |
第九聴く ベートーヴェンや 師走かな | 住職 |
昨夜、永年中学校の教壇に立たれていた方のお通夜で、「仰げば尊し」の歌詞を教え子の皆さんの気持ちに代って朗読しました。
仰げば尊し 我が師の恩 教えの庭にも はや幾年
思えばいと疾し この年月 今こそ別れめ いざさらば
互いに睦し 日頃の恩 別るる後にも やよ忘るな
身を立て名を挙げ やよ励めよ 今こそ別れめ いざさらば
朝夕馴れにし 学びの窓 蛍の灯火 積む白雪
忘るる間ぞなき ゆく年月 今こそ別れめ いざさらば
思えばいと疾し この年月 今こそ別れめ いざさらば
互いに睦し 日頃の恩 別るる後にも やよ忘るな
身を立て名を挙げ やよ励めよ 今こそ別れめ いざさらば
朝夕馴れにし 学びの窓 蛍の灯火 積む白雪
忘るる間ぞなき ゆく年月 今こそ別れめ いざさらば
すばらしい日本語です。すばらしい短文です。何よりも短文で表現される子弟の情愛がすばらしいです。スマホ・ラインでもこういう美しい日本語が飛び交うことを願います。