寺務雑記
■2019年11月1日(金)
「大師堂」の前にある「掲示板」を更新しました。今月は紅葉・柿・落葉などの名句です。
次世代を担う若い人たちに、俳句・短歌など日本語のふくよかな短文文化をお勧めします。
心と頭の「糖尿病」といわれる「SNS短文依存症」の良薬です。
朝茶飲む 僧静かなり 菊の花 | 芭蕉 |
古寺に 灯のともりたる 紅葉かな 初なりの 柿を仏に そなへけり 渋柿は 馬鹿の薬に なるまいか | 子規 |
柿のせて わが手御仏の 手のごとく | 青邨 |
落葉ふんで どこまでも落葉 山の紅葉へ 胸いっぱいの声 ひときわ赤い お寺の紅葉 | 山頭火 |
山は暮れて 野はたそがれの ススキかな | 蕪村 |
きりきりしゃんとして咲く 桔梗かな 夕暮れや 膝を抱けば 又一葉 日の暮の 背中淋しき 紅葉かな | 一茶 |
一枚の 紅葉かつ散る 静けさよ ゆくりなく 旅の一日を 紅葉狩 | 虚子 |
石蕗(ツワブキ)の 楚々と咲きたる 仏庭 真っ赤だな 紅葉を歌う 孫うれし 落葉には いのちを終える 美しさ 落葉(らくよう)は 老いの身の明日 諭すもの 散る紅葉 残る紅葉も 散る紅葉 | 住職 |