蔵の街とちぎ 大毘盧遮那殿 満福寺(満福密寺)

世事法談

 この「世事法談」は、当山の寺だより「まんだら通信」の「世事法談」の欄に書き続けてきたものです。毎年、新年・5月・9月(お参り月)に折にふれた話題に住職が保守の立場からコメントしたものです。

平成29年(2017)

■新年号より■

●敬礼三宝 謹賀新年
昔、聖武(しょうむ)天皇は
奈良の都の東大寺に大仏(廬舎那仏)を祀り
諸国に国分寺を置いて釈迦如来や薬師如来を祀らせ
この国を「仏国土」としました
弘法大師は、嵯峨天皇に頼まれ
京の都の東寺に立体マンダラを造って
その中央に大日如来を祀り
国家安泰・万民豊楽を祈りました
戦後体制が国の内外で揺らぐ今
大師ならば今何と言うでしょう
●新年明けましておめでとうございます。
 平成29年、西暦2017年、酉歳です。
 今年の恵方は、北北西の方角。
●年男・年女(酉歳生れ)
長所 計画性・先見の明に富み、創意工夫に長じ、実利的な知恵がある。几帳面。世情に通じる。大きなことを企てる能力がある。
短所 好き嫌いで人やものごとを判断する。ひとの気持ちを気にする。かっこうよさや体面を重んじる。せっかちで短気なところがある。
運気 トラブルを避け、難事に耐え、プラス思考で生きれば、運気よし。
守り本尊 不動明王(ふどうみょうおう)
ご真言 ノーマク サマンダ バザラダン カン
●初春の俳句三首
元日や 上々吉の 浅黄(あさぎ)空一茶
昼ごろに 元日になる 庵かな一茶
初夢に 古郷(ふるさと)を見て 涙かな一茶
●歳神様(としがみさま、歳徳神(としとくじん))とは、
その年の恵みや福徳を司る神様。陰陽道(おんようどう)つまり「道教(どうきょう)」(中国の宗教)の「福の神」。
 この歳神様のほか、皆様は新年にはいろいろな神仏に祈ります。三元日の初詣客の数でトップスリーの常連で言えば、成田山のお不動様、川崎大師のお大師様、伏見稲荷のお稲荷さん。その他、伊勢神宮の天照大神と豊受大神、明治神宮の神となった明治天皇、九州太宰府天満宮の神となった菅原道真、日光東照宮の神となった徳川家康、鎌倉鶴岡八幡宮の八幡神(応神天皇・神功皇后・比売神の三神)、奈良東大寺の廬舎那仏。京都清水寺の千手観音などなど。
 一神・一仏・一教に片寄らず、多種多様な宗教・信仰・神仏を「合わせ」「重ねる」のが日本人特有の文化です。
●「合わせ」「重ね」の文化は神仏に限らず、
食文化や服飾や住いなどにも表われています。フランス料理や中華料理を日本人の口に合うように工夫したり、ホテルには和食・洋食・中華のレストランや和洋室を用意したり、洋服を日本の生活習慣に合わせたり、畳の和室にもイス・テーブル・応接セットを置いたりの「和洋折衷(わようせっちゅう)」。
 もともとは、平安貴族女性の「重ね着」で高貴なものは「十二単衣(じゅうにひとえ)」。いろいろな色が重なり合う着物の美しさを楽しみました。
●平安時代に生きた弘法大師は、この「合わせ」「重ね」の天才でした。
人間の心の在り様を「合わせ」「重ね」て十段階で示しました(「十住心」(じゅうじゅうしん))。最初の段階は、食欲・性欲の本能むき出しのまま生きているケモノのような心。やがて人間らしい倫理道徳心や宗教心が芽生え、仏教の代表的な教えを学び、仏の心の最高の境地(真言宗の教え)に到達する心の進歩過程です。この「十住心」を、現代に問う本を住職が出版しています(『空海の総合仏教学』ノンブル社)。
●アメリカの強大な経済と軍事力が
国際社会の力関係をリードしてきた時代が終ろうとしています。軍事費にお金がかかるため世界の警察役をやめたオバマ大統領に続き、自国の利益優先(アメリカファースト)で国際社会や同盟国との連携に無関心なトランプ大統領がまもなく登場します。「日本は、自分の国は自分で守れ、それができないのなら米軍の駐留経費をもっと負担しろ」「TPPは脱退」です。
●戦後「アメリカはいつも正義」だと信じて疑わなかった
私たち日本人にとって、アメリカという国の正体を見定めるいい機会です。戦争回避の外交交渉で無理難題を押しつけ、日本を大東亜戦争に引きずり込んだのはアメリカでした。人類史上はじめて原子爆弾を戦争で使ったのはアメリカのトルーマン大統領でした。日本が「ポツダム宣言」(戦争終結)を受諾したにもかかわらず、そのあと北方領土に攻め入ることをソ連のスターリンにそそのかしたのはアメリカのルーズベルト大統領でした。戦勝国が敗戦国を裁くという国際法上ありえない不法な「東京裁判」を行ったのはアメリカのマッカーサーでした。シベリアから天然ガスを海底パイプで日本海側に運び、安くて豊かな暖房燃料で雪国の人たちを長く厳しい冬の生活から解放し、雪国の輸送・流通を確保して産業・経済を太平洋側並みにようとした田中角栄総理を、ソ連に近づく危険人物として失脚させたのもアメリカの議会(多国籍企業小委員会)でした。
●先が見えない北方領土の問題。
安倍総理が自分の政権の下で解決したいと一生懸命やっていますが、おそらく四島一括返還は無理でしょう。返還運動関係者と政府は、北方四島(クナシリ・エトロフ・ハボマイ・シコタン)は「わが国の固有の領土」「四島一括返還」と言い続けてきましたが、どうも厳しい現実とはかけ離れた虚しいスローガンだったようです。外交上の現実は、四島は戦争で奪い取られたロシア領で、武器で取られた領土は武器で取り返すしかないのが世界の現実です。何とか外交交渉で返る可能性があるのはハボマイ・シコタンだけです(「日ソ共同宣言」、1956年)。
●毎年11月半ばになると、
「喪中につき年賀状(年始の祝詞)を差し控える」旨の喪中ハガキが届くようになりました。いつから、誰が、こんなことを始めたのかわかりませんが、この流行少し変です。
 「喪中」とは、仏事では四十九日。四十九日忌の法要が済めば忌明けとなり、「喪」は終りです。従って喪中ハガキを出すのは、11月13日以降に不幸が起きた場合のみ、それ以前の場合は「喪中」ではありませんので出す必要がありません。
 神事では50日。50日祭を済ませれば「喪」は終りです。天皇・皇后両陛下を初め皇族でさえ1年(365日)も「喪」に服していません。長くても150日です。どうして「今年は●●月に■■が亡くなり、喪中につき」と言い「喪中」を「今年」(1年)とするのか根拠もなく、愚かしいことです。
 この喪中ハガキとやら、要は身内に不幸があったので年賀状(年始の祝詞)は差し控える旨の予告なのですが、それならそれで別な方法があります。新年が明けて1月半ばに「寒中お見舞い」のハガキを出すことです。文面は「寒中お見舞い申し上げます 旧年●●月に■■が亡くなり、年賀状を差し控えました。今年も何卒よろしくお願いします」で結構です。何も「喪中」などと言う必要はありません。
●中高年の物見遊山のようだった
蔵の街観光にもこの頃変化が見られ、若い世代を中心に御朱印をいただいて回るお客が増えています。喜ばしいことに、この人たちは神仏を敬い、礼儀正しく、言葉が丁寧で、感じの良い人が多く、神仏へのお参りというちゃんとした目的をもって蔵の街にきています。
 一方、嘆かわしいのは中高年のリュック族。この人たちは神仏の前で帽子も取らず、手を合わせるでもなく、ただ境内に佇んでせいぜい写真を撮るくらい。ほとんどが境内をスルーパスです。モノ・カネ・テクノロジーで人生を生きてきたこの世代。何か大事なものを学んでこなかったのではないか、と若い世代が教えてくれる今日この頃です。
●昨年夏の甲子園で優勝した作新学院。
高校野球の関係者によれば、部員全員、練習でも試合でも、大会会場でも会場外でも、常に清々しくきびきび動き、マナー・礼節をわきまえ、野球選手としても高校生としてもキチンとしていて好感がもて、それだけで相手校は勝てる気がしない、監督をはじめ指導者の「教育力」の成果でしょう、と。
●昨年、新年大護摩供のあとの年頭ご挨拶で、
子供も大人もスマホ依存症にならないようにと申し上げました。スマホだけでなくパソコン・タブレットも毎日長時間見ていると脳が画像認識に片寄り、文字を読み書きする能力や意欲が低下し、想像力や国語の学力や情報編集能力に悪影響を与え、軽薄短小の人間をつくると言われているからです。
 栃木市ゆかりの山本有三は、小説『路傍の石』で有名なだけでなく、国会議員の時代「国語国字問題」に熱心に取り組みました。もしこの有三に学ぶとしたら、栃木市民はパソコンやスマホの画像世界から離れ本の文字世界に親しむべきです。その意味で栃木市が整備する「文学館」は、小・中・高生の国語力やコトバの表現能力の向上の場にもなり、国語学力全国一や作家や歌人や文学者を輩出する町を目指してもらいたいもの。

■春号より■

●朝鮮半島有事
昔、朝鮮半島では高句麗(こうくり)に新羅(しらぎ)
そして百済(くだら)が割拠し
そこに唐や契丹(きったん)が侵入し
やられたらやり返さなければ気が済まない負の連鎖
終らない恨みと復讐と殺し合い、
これが朝鮮半島の歴史
今、韓国には反日・嫌米の偏屈大統領
北にはオジも兄も平気で殺す暴れん坊将軍
アメリカ・中国が本気になり、
朝鮮半島が有事になれば日本も無キズではいられません
戦後はじめて専守防衛が問われ
戦後はじめて自衛隊の戦闘能力が問われています
●桜にはじまる花と新緑の日本の春、
一年で一番気持ちのいい季節になりました。ゴールデンウィークは行楽地どこに行っても混雑ですが、野に山に海に出かけては春爛漫を満喫し、日頃の疲れを癒すのも日本人らしく、自然のいぶきを感じて元気になれれば、かけたお金もムダではないでしょう。春は「生きる力」を自然からいただける好季です。
●桜の俳句五句
さまざまな 事おもひ出す 桜かな芭蕉
銭湯で 上野の桜の うわさかな子規
観音の 大悲の桜 咲きにけり子規
桜花 何が不足で 散りいそぐ一茶
散る桜 残る桜も 散る桜良寛
●桜と言えば吉野山。
しばらく前になりますが、檀家の皆様の参拝団と桜満開の吉野山に一泊し、蔵王堂ほか名所旧跡を拝観し、京都にも一泊して総本山(智積院)に参拝したことを思い出します。
桜は「散り際の美しさ」や「いい時に散るいさぎよさ」の例としてよく登場し、仏教では「諸行無常(しょぎょうむじょう)」(モノゴトはすべて変りやすく、いつまでも同じではないこと)の喩えとして使われます。
●桜の「いい時に散るいさぎよさ」は、大東亜戦争の末期、広島県江田島の海軍兵学校や茨城県霞ヶ浦の予科練、そして鹿児島県知覧基地から出撃した特攻隊員の間でよく歌われていた「同期の桜」にも表われています。

貴様と俺とは 同期の桜
同じ兵学校の 庭に咲く
咲いた花なら 散るのは覚悟
見事散りましょ 国のため
●この歌の背景をたどると武士道精神に行きつきます。
旧佐賀鍋島藩士で武士の心得を書いた『葉隠(はがくれ)』で有名な山本常朝は「武士道といふは、死ぬことと見つけたり」と言い、武士たる者は敗れればいさぎよく自決し、生き恥じをさらさないことを説きました。それが「戦陣訓」となり軍人は「生きて虜囚(りょしゅう、捕虜)のはずかしめを受けず」とたたきこまれました。そしてこの武士道精神、そのもとをたどれば宮本武蔵の「剣禅一如」など、つまり仏教の禅に行きつきます。禅では徹底して執着やこだわりを否定します。究極の境地において、死の恐れも生きる執着もなくなるとも。
●弘法大師は、執着やこだわりを否定しませんでした。
弘法大師にとって執着やこだわりはサトリ(究極)への第一歩でした。人間はこだわりぬいてこそ道を究められると。
 オリンピックの選手が金メダルをめざして人一倍努力する。強いこだわりがあるからこそ苦しいトレーニングにも耐えられる。結果最高のパフォーマンスができ、金メダルに輝く。つまり、こだわりが極限の状態で落ち着いた冷静な境地になり、最高の結果につながる。こだわりの果てにスポーツ選手が達する究極の境地は、結局禅のそれと同様だと。
 川上哲治というプロ野球で有名な方がいました。ジャイアンツで4番を打ち、監督としては日本シリーズ9連覇を成しとげた人ですが、現役の頃、ピッチャーの玉が止って見えたと言いました。川上さんは坐禅をよくしたことでも知られていますが、実際には練習でこだわってこだわってバッティングの極意をつかんだのです。スポーツの世界では無意識の状態で自由に身体が動く・反応することがよくあります。これが『般若心経』の言う「空(くう)」で、私も高校時代に卓球の選手だったのですが、大事な試合で打ち合うボールの音しか聞こえてこない「ゾーンオフ」の無意識状態になり、自由に身体が反応して自在に返球でき好成績を残した経験があります。こだわりを捨てるのではなく、極限までこだわり抜くとこだわりがなくなるのです。
●昨年から準備工事を始めました五十体「願かけ大師」がまもなくできあがり、大師堂の外側の南面通路と西側通路に面し、いつでもご自由にお参りいただけます。
  1. 家門繁栄
  2. 子孫長久
  3. 社運隆昌
  4. 事業繁栄
  5. 商売繁昌
  6. 家庭円満
  7. 親子円満
  8. 夫婦円満
  9. 子宝授与
  10. 安産延命
  11. 子育円満
  12. 学業向上
  13. 習いごと向上
  14. 友達円満
  15. いじめ除け
  16. 受験合格
  17. 就職成就
  18. 恋愛成就
  19. 良縁成就
  20. 再起成就
  21. がん息災
  22. 難病息災
  23. 認知症息災
  24. 身体不自由息災
  25. 精神疲労息災
  26. リハビリ息災
  27. 糖尿病息災
  28. 胃腸病息災
  29. 小児病息災
  30. 婦人病息災
  31. 高血圧病息災
  32. 循環器病息災
  33. 脳神経病息災
  34. 泌尿器病息災
  35. 耳鼻病息災
  36. 呼吸器病息災
  37. 歯病息災
  38. 眼病息災
  39. 皮膚病息災
  40. 無病息災
  41. 金運招福
  42. 勝運招福
  43. 吉運招福
  44. 交通安全
  45. 旅行安全
  46. 厄除け
  47. 悩みごと除け
  48. 悪運除け
  49. 盗難除け
  50. 火災除け
●幼稚園児に「教育勅語」を暗唱させ
軍歌「海ゆかば」を歌わせ、それだけでもお騒がせの森友学園の問題。民進党ほか野党は、国有地の8億円値引き売却に安倍総理夫人が関与していたとし、ついでに安倍総理の追及までくろんでいましたが、8億円の値引きに政治家の関与はなかったと繰り返す財務省の壁は厚いようです。
 そもそも、あの籠池というご夫婦。幼稚園経営(理事長)と幼稚教育現場(園長)の経験者である私の目には、あのご夫婦からは教育者らしい素養も品位も専門性も感じられず、虚言とハッタリがお得意のよう。それに安倍総理夫人はうまく利用されたのではないでしょうか。
●北朝鮮がいよいよ、
核爆弾を搭載した大陸間弾道弾(ICBM)の完成まぢかのようです。そうはさせじとアメリカのトランプ大統領が相当レベルの軍事的圧力をかけ、一方で中国の習近平主席に経済制裁で北朝鮮に圧力をかけるよう促しています。北朝鮮の反撃からソウル・韓国の米軍基地・東京・沖縄・日本の米軍基地を守れるという確証を得たら、北朝鮮の核施設に激しい集中攻撃を加えるでしょう。その時、どれくらい北朝鮮のミサイルが日本に飛んでくるか。地下鉄に逃げるといった避難訓練の話ではありません。地下鉄のない町はどうするのでしょう、右往左往の怖い話です。
●今上天皇陛下のご退位が現実のものになってきました。
あとあとのことを随分悩まれての異例ことと思いますが、あとを託される新天皇・皇后両陛下(現皇太子ご夫妻)のご心境とご覚悟はいかに。とくに皇后となられる現妃殿下のご体調が心配です。とくに宮中祭祀は原則代りのきかない公務中の公務。暑かろうが寒かろうが、ご無理もしていただかなくてはなりません。
●国民的期待の大きい新横綱稀勢の里。
先場所でのケガの影響でけいこ不足だとか。5月場所はどうなるでしょう。白鵬に衰えが見えはじめ、日馬富士・鶴竜には横綱らしい強さがなく、照ノ富士は今いちで、豪栄道はふがいなく、横綱・大関・関脇みんな元気な場所をたまには見たいもの。
 一方また、土俵態度の悪い若い力士が目立ちます。仕切りの時から相手と合わせない、立ち合いでグズグズしていておそい、制限時間で塩とりの際屈伸運動をしたり、パチンパチンと顔やお尻をたたく等々。相撲は、相手を敬い礼にはじまり礼で終る、土俵上の作法を大事にする「神事」です。

■秋号より■

●地球の怒り
地球がほんとに怒っている
科学文明をいいことに、車からエアコンから、工場の煙突から
地球環境に悪い排ガスを出し
大気を汚染し、オゾン層を破壊し、地球を温暖化させ
日本だけでなく世界中で
毎年、今までに経験したことがない集中豪雨・洪水・竜巻・大雪
そこに大地震
人間の自惚れと傲慢に、地球がほんとに怒っています
●秋彼岸 十句
きょう彼岸 菩提の種を 蒔(ま)く日かな
我(われ)あるは 先祖のおかげ 秋彼岸
いさかひし 日もある夫の 秋彼岸
秋彼岸 亡き母のこと 呼んでみる
できたての おはぎを墓へ 秋彼岸
未練とも 折り合いをつけ 秋彼岸
秋彼岸 父の齢(よわい)と なりにけり
蕎麦(そば)打ちて 寺への土産 秋彼岸
もう聞けぬ 戦(いくさ)の話 秋彼岸
時を知り 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)咲き 秋彼岸
●彼岸とは「彼の岸」「向う岸」。
つまり「こっちの岸」「この世」に対して「あの世」「仏の世界」のこと。春秋のお彼岸とは、「この世」の人が、「あの世」=「仏の世界」に思いを寄せ、「仏の世界」のご先祖のお墓に詣で、自らもこの世において
  1. 他に施すこと(布施)
  2. 人として守るべき倫理・道徳や礼儀・マナーなど人の道を守ること(持戒)
  3. 他を責めず自らを戒め我慢すること・耐えること(忍辱)
  4. ひとより多く努力すること(精進)
  5. 心を落ち着けいつも平静に保つこと(禅定)
  6. 何ごとも深く洞察すること(智慧)
といった六つの行い(「六波羅蜜(ろくはらみつ)」)を心に誓って、これを1週間実践すること。「仏の世界」の疑似体験をすることです。
●他に施すこと(布施)は、
モノ・カネを他の人に恵むこともそうですが、私たちにできることで大事なのは、自分のためではなく他の人のためにできることをする「心の施し」(=慰め・励まし)、あるいは「奉仕活動」「ボランティア活動」。
●人として守るべき倫理・道徳や礼儀・マナーなど人の道を守ること(持戒)は、
できるようで意外にできませんが、交通ルールはもちろん世のなかの全ての社会規範を守ること。よく例に出しますが、神仏の前でも、美術館でも、博物館でも、電車のなかでも、病院でも、レストランでも、ホテルでも、講演会でも、講習会でも、屋内・室内・車内にもかかわらず帽子を取らない中高年。子供の時、学校で「脱帽」のマナーを教わったはずですが。
●他を責めず自らを戒め我慢すること・耐えること(忍辱)は、
これが最近怪しくなりました。すぐに感情的になり、怒る・怒鳴る・暴れる・切れる。「人の一生は、重荷を背負うて遠き道をゆくがごとし、急ぐべからず。我慢、我慢」とは、徳川家康の遺した名言。
●他より多く努力すること(精進)は、
何ごとにも真剣に人一倍努力すること。高校野球などでよく「練習はウソをつかない」と言われますが、いい結果は努力なくしてあり得ません。
●心を落ち着けいつも平静に保つこと(禅定)は、
血圧が上がり、自律神経が興奮している状態では、人間何をしてもうまくいきません。冷静に心を落ち着けていることが、いい結果につながります。
●何ごとも深く洞察すること(智慧)は、
前の「心を落ち着けいつも平静に保つこと」(禅定)が前提となります。損か得かとか、好きか嫌いかとかの世間の知恵ではなく、モノゴトの本質を見極める洞察力です。
●照れば38度39度、降れば2週間も長雨で日照不足。
6月はカラ梅雨、8月はジメジメ本梅雨、8月盆はずっと雨。8月15日は40年ぶり、高校野球が中止で黙祷のない甲子園でした。
 関東地方は「やませ」の影響だそうです。「やませ」とは、東北地方の夏低温多湿と日照不足で田んぼの稲が冷害・凶作に見舞われることで有名な冷たく湿った東風のこと。日照不足の影響で、お盆の頃はお墓に供える菊の花まで品薄で高値だったとか。
●この異常な天候不順、地球規模の気候変動です。
原因は大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度が高いため。つまりは地球温暖化。日本では、世界に率先して車の排ガス規制を実施し、エアコンのフロンガス規制も徹底し、大気汚染の元となった化学工場などの排ガス規制も行いましたが、世界は日本のようにまじめな国ばかりではなく、アメリカのトランプ大統領は2015年にパリで決められた国際協定を「でっち上げ」だと言い、国際的な規制の枠組から脱退してしまいました。地球環境より自国の経済が優先なのです。
●森友学園問題。
安倍総理の奥さんが、籠池夫婦の小学校の名誉校長などになっていなければ問題になりませんでした。総理夫人としてうかつでした。野党は、国有地の大幅値引き疑惑に総理もからんでいるとばかり追求しましたが、結局うやむや。園児らに軍歌を歌わせて世間を騒がせた籠池夫婦は今、留置場です。
●加計学園問題。
安倍総理のお友だちの加計学園の理事長が15年前から今治市への獣医学部の設置認可申請を繰り返しながら、獣医師会の反対圧力でずっと認められなかった問題で、それが総理の主導する国家戦略特区によって認可されることになったら、総理が友だちに個人的な配慮をしたとか、その総理の意向を関係者が「忖度(そんたく)」したとか、それを臭わせる内部文書が出てきたとか、そこへ文科省の事務次官を首になったばかりの前川某という人が出てきて「最初から加計ありきだった」などと言います。野党はここぞとばかり、総理の口利き疑惑に仕立てようとしましたが、これも結局うやむや。
●民進党の支持率が上らないわけ。
国会の質問では安保法制や森友・加計問題や防衛省の日報問題で総理をはじめ政府側を厳しく追及し、野党第一党として点数を上げているというのに支持率はいっこうに上らず、東京都議選で惨敗し蓮舫代表が辞任に追い込まれました。このままでは分裂しそうです。政権をとる前は、国民生活に直結した年金の問題を追及して評価されましたが、今の安保法制・森友・加計・防衛省日報問題は国民の生活と関心に直結していません。国民は週刊誌の記事を読んでいる気分なのです。